法人化(会社設立)の手順|個人事業主が法人成りするタイミング・費用・設立後の届出

法人化(会社設立)の手順|個人事業主が法人成りするタイミング・費用・設立後の届出 法人化・会社設立

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個人事業が軌道に乗ってくると、「そろそろ法人にしたほうがいいのかな?」と考える場面が出てきます。法人化(法人成り)には節税や信用面のメリットがある一方で、費用や事務の手間も増えます。

この記事では、法人化を検討するタイミングから、会社設立の手順、設立後に必要な届出までを順番に解説します。

法人化を検討するタイミング

法人化を考えるきっかけとして多いのは、次のようなケースです。

  • 利益が増えてきた:個人の所得税は所得が増えるほど税率が上がる(最高45%+住民税10%)。法人税は税率がほぼ一定なので、利益が大きくなると法人のほうが有利になることがある
  • 取引先から法人での契約を求められた:大手企業との取引では、法人であることが条件になる場合がある
  • 人を雇う・資金調達をしたい:採用や融資で、法人のほうが信用を得やすい
  • 消費税の免税期間を活用したい:条件を満たせば、設立から最大2期は消費税が免除される(インボイス登録をすると対象外になるなど例外あり)

「所得が◯◯万円を超えたら法人化」とよく言われますが、実際に得かどうかは、役員報酬の設定、社会保険料、家族構成などで大きく変わります。判断に迷ったら、法人化の前に税理士にシミュレーションしてもらうのが確実です。

株式会社と合同会社、どちらにする?

比較ポイント 株式会社 合同会社
登録免許税 最低15万円 最低6万円
定款の認証(公証役場) 必要(手数料は資本金の額などにより3万〜5万円) 不要
定款の収入印紙 紙の定款なら4万円(電子定款なら不要) 紙の定款なら4万円(電子定款なら不要)
設立費用の目安(電子定款の場合) 約18万〜20万円+α 約6万円+α
知名度・信用 高い 以前よりは浸透しているが株式会社に劣ることも
役員の任期 あり(最長10年、変更登記が必要) なし
決算公告 必要 不要

1人で事業をしていて、取引先に会社の形態を気にされないなら合同会社、将来の出資の受け入れや対外的な信用を重視するなら株式会社、という選び方が一般的です。

どちらの場合も、電子定款にすると収入印紙の4万円が不要になります。自分で電子定款を作るには専用のソフトや電子証明書が必要ですが、会社設立サービスを使えば手軽に対応できます。

会社設立の手順

STEP1 基本事項を決める

  • ☐ 会社名(商号):同じ住所に同じ商号の会社がないかを確認
  • ☐ 本店所在地:自宅、事務所、バーチャルオフィスなど
  • ☐ 事業目的:将来やる可能性がある事業も入れておく(許認可が必要な事業は書き方に注意)
  • ☐ 資本金:1円からでも設立できるが、融資や取引の信用を考えて設定
  • ☐ 事業年度(決算月):繁忙期や消費税の免税期間を考えて決める
  • ☐ 役員構成

自宅が賃貸マンションで本店所在地にできない場合や、登記簿に自宅住所を載せたくない場合は、法人登記に対応したバーチャルオフィスを使う方法があります。

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※士業や古物商など、許認可の要件として専有の事務所が必要な業種はバーチャルオフィスを本店にできない場合があります。

STEP2 会社の印鑑を作る

法人の実印(代表者印)を用意します。オンラインで登記申請する場合、印鑑の届出は任意になりましたが、銀行口座の開設や契約で求められることが多いので、作っておくのが無難です。

STEP3 定款を作成する(株式会社は公証役場で認証)

定款は会社のルールを定めた書類です。株式会社は公証役場で定款の認証を受ける必要があります。電子定款にすれば収入印紙代の4万円を節約できます。

▶ 電子定款を含む設立書類をまとめて作成できる
電子定款で印紙代を4万円節約 マネーフォワード 会社設立

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STEP4 資本金を払い込む

発起人(出資する人)の個人口座に資本金を振り込み、通帳のコピーなどで払い込みを証明します。この時点ではまだ会社の口座はありません。

STEP5 法務局で設立登記を申請する

登記申請書と必要書類を法務局に提出します。申請した日が会社の設立日になるので、設立日にこだわりがある場合は申請日を調整しましょう。登記が完了するまでは1〜2週間ほどかかります。

設立後に必要な届出(期限に注意)

提出先 書類 期限の目安
税務署 法人設立届出書 設立から2か月以内
税務署 青色申告の承認申請書 設立から3か月を経過した日と、最初の事業年度の終了日のうち早いほうの前日まで
税務署 給与支払事務所等の開設届出書 給与の支払いを始めてから1か月以内(役員報酬も対象)
税務署 源泉所得税の納期の特例の承認に関する申請書 任意(従業員が10人未満なら、源泉所得税の納付を年2回にまとめられる)
都道府県・市区町村 法人設立届 自治体ごとに異なる(多くは1か月以内程度)
年金事務所 健康保険・厚生年金保険 新規適用届 設立から5日以内
労働基準監督署・ハローワーク 労働保険・雇用保険の手続き 従業員を雇ったとき

法人は、社長1人だけでも社会保険(健康保険・厚生年金)への加入が義務です。保険料の負担は個人事業のときより増えることが多いので、法人化のシミュレーションでは社会保険料も必ず含めて計算しましょう。

法人化で得するかどうかの判断は「法人成りは所得いくらから?」、設立後の口座開設は「法人口座の作り方」で解説しています。

個人事業を残したまま小さな会社を作る「マイクロ法人」という選択肢もあります。

個人事業の廃業手続きも忘れずに

  • ☐ 税務署に「個人事業の開業・廃業等届出書」(廃業)を提出
  • ☐ 青色申告をやめる届出、消費税の届出(該当する場合)
  • ☐ 個人事業の最後の確定申告(廃業した年の分)
  • ☐ 取引先との契約、銀行口座、各種サービスの名義を法人に切り替え

法人の経理は税理士に頼むべき?

法人の決算・申告は、個人の確定申告よりかなり複雑です。会計ソフトを使えば日々の記帳は自分でもできますが、決算書と法人税申告書の作成は税理士に依頼する人が多数派です。顧問料は依頼する範囲によって大きく変わるので、複数の税理士を比べて選ぶのがおすすめです。

まとめ:会社設立チェックリスト

  • ☐ 法人化で得になるか、税理士などにシミュレーションしてもらった
  • ☐ 株式会社か合同会社かを決めた
  • ☐ 商号・本店所在地・事業目的・資本金・決算月を決めた
  • ☐ 定款を作成した(電子定款で印紙代を節約)
  • ☐ 資本金を払い込み、設立登記を申請した
  • ☐ 税務署・自治体・年金事務所への届出を済ませた
  • ☐ 法人口座を開設し、個人事業の廃業手続きをした

開業準備の全体像は「個人で開業する人の準備チェックリスト」、事務所を持たずに法人化したい人は「バーチャルオフィス1の評判と料金を徹底解説」もあわせてご覧ください。

※税率・手数料・届出の期限は改正されることがあります。最新の情報は国税庁・法務局・日本年金機構などの公式サイトでご確認ください。

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