開業準備の中でも、意外と迷うのがレジ選びです。昔ながらのレジスターから、タブレットで使うPOSレジ、スマホで注文できるモバイルオーダー一体型まで選択肢が多く、費用も無料から数十万円までさまざまです。
この記事では、飲食店や小売店を開業する人向けに、POSレジを選ぶときのチェックポイントを解説します。
そもそもPOSレジとは?普通のレジとの違い
POSレジは、会計と同時に「いつ・何が・いくつ売れたか」を記録してくれるレジです。売上の集計や分析、在庫の管理、スタッフの勤怠管理などを自動化できるのが、普通のレジスターとの大きな違いです。
最近は、iPadなどのタブレットやスマホに専用アプリを入れて使うタブレット型POSレジが主流です。専用機を買う必要がなく、月額無料のプランを用意しているサービスもあるため、個人店でも導入しやすくなっています。
POSレジのタイプ別の特徴
| タイプ | 特徴 | 向いているお店 |
|---|---|---|
| タブレット型POSレジ | 手持ちのiPadなどで使える。初期費用が安く、無料プランがあるサービスも多い | 個人経営の飲食店・小売店・サロン |
| モバイルオーダー一体型 | お客さんが自分のスマホで注文し、そのままPOSレジに連携される | 人手を減らしたい飲食店、回転の速い業態 |
| 多機能・業種特化型 | 在庫管理、複数店舗管理、免税販売、予約管理などの機能が充実。有料プランが中心 | 品数の多い小売店、多店舗展開を考えている店 |
| 据え置き型の専用機 | 専用のハードウェアで安定性が高い。導入費用は高め | 大型店舗・チェーン店 |
POSレジ選びの7つのチェックポイント
1. 費用は「初期費用+月額+周辺機器」で比べる
アプリ自体が無料でも、レシートプリンター、キャッシュドロアー、バーコードリーダー、タブレット本体などの周辺機器が必要です。月額料金だけでなく、そろえる機器を含めた総額で比べましょう。
2. キャッシュレス決済と連携できるか
クレジットカード、電子マネー、QRコード決済の端末とPOSレジが連携していないと、金額を二度打ちする手間やミスが発生します。決済サービスとの連携のしやすさは、日々の運用に直結するポイントです。
3. 会計ソフトと連携できるか
売上データを会計ソフトに自動で取り込めると、確定申告の準備が大幅にラクになります。使う予定の会計ソフト(マネーフォワード、弥生、freeeなど)と連携できるかを確認しましょう。
4. 業種に必要な機能があるか
- 飲食店:テーブル管理、オーダーの厨房への送信、セット・コース、食べ放題・飲み放題、テイクアウト
- 小売店:在庫管理、バーコード、商品点数の多さ、免税販売
- サロン:予約管理、顧客カルテ、回数券
5. インボイス対応のレシートが出せるか
インボイス(適格請求書発行事業者)に登録しているお店は、登録番号や税率ごとの消費税額を記載したレシート(適格簡易請求書)を出す必要があります。主要なPOSレジは対応していますが、念のため確認しておきましょう。
6. オフラインでも会計できるか
ネット回線が不安定になったときに会計が止まると、営業に大きな影響が出ます。オフラインでも会計できるか、回線は安定しているかを確認しておきましょう(→「開業時の通信インフラ準備ガイド」)。
7. サポート体制
営業中にトラブルが起きたとき、電話やチャットですぐに相談できるかは重要です。サポートの受付時間(土日祝や夜間に対応しているか)もチェックしましょう。
主なPOSレジサービス
funfo(ファンフォ):飲食店向け・モバイルオーダー一体型
funfoは、モバイルオーダー・POSレジ・モバイル決済などを1つのアプリで使える飲食店向けのサービスです。無料から使い始められ、売上分析、セット・コース、食べ放題・飲み放題などの機能のほか、多言語(4か国語)にも対応しています。LINEとの連携で、リピーター向けのメッセージ配信やアンケートもできます。
「人手を増やさずに注文・会計を回したい」「インバウンドのお客さんにも対応したい」という飲食店に向いています(→「飲食店のモバイルオーダー導入ガイド」)。
▶ 月額無料から使える飲食店向けPOSレジ・モバイルオーダー
funfo
![]()
Airレジ:無料で始められる定番のPOSレジアプリ
リクルートが提供するPOSレジアプリです。アプリは無料で使え、飲食・小売・サービス業など幅広い業種で使われています。同じシリーズのキャッシュレス決済サービスなどと組み合わせて使えるのも特徴です。
スマレジ:在庫管理や多店舗管理に強いクラウドPOSレジ
無料プランから始められ、有料プランでは在庫管理や複数店舗の管理などの機能が使えるクラウドPOSレジです。商品点数の多い小売店や、将来の多店舗展開を考えているお店に向いています。
POS+(ポスタス):業種別に機能をそろえたPOSレジ
飲食店向け、小売店向け、美容サロン向けなど、業種ごとに必要な機能をそろえたPOSレジです。導入時のサポートを重視したい人は、資料請求や問い合わせで相談してみるとよいでしょう。
※各サービスの料金・機能は変更される場合があります。最新情報は公式サイトでご確認ください。
迷ったときの選び方
- とにかく費用を抑えて始めたい → 無料プランのあるタブレット型POSレジ
- 飲食店で人手不足を解消したい → モバイルオーダー一体型
- 商品点数が多い・多店舗展開したい → 在庫管理や多店舗管理に強いクラウドPOSレジ
- 操作に自信がない・相談しながら決めたい → 資料請求やデモで比較し、サポートの手厚いサービス
多くのPOSレジは無料プランやお試し期間があるので、開業前に実際に触って、スタッフが迷わず使えるかを確認しておくのがおすすめです。
POSレジ選びでよくある質問
Q. 無料で使えるPOSレジはある?
アプリ自体は無料で使えるサービスもあります。ただし、iPadなどのタブレット、レシートプリンター、キャッシュドロワー、決済端末は別途必要です。「アプリ無料」でも周辺機器で数万〜十数万円かかることがあるので、総額で比べましょう。
Q. 補助金は使える?
POSレジや決済端末の導入には、国のIT導入補助金(年度によって名称や対象が変わることがあります)などが使える場合があります。対象のサービスや申請期間が決まっているので、導入前に各サービスの公式サイトや補助金の事務局サイトで確認してください(→「開業資金の集め方(創業融資・補助金)」)。
Q. タブレットは家にあるものでいい?
対応機種であれば使えます。ただし、営業中に私用の通知が出たり、古い端末で動作が遅くなったりすることがあるので、店舗専用の端末を用意するのがおすすめです。
Q. 開業のどのくらい前に導入すればいい?
メニュー・商品の登録、決済端末の審査(数週間かかることがある)、スタッフの操作練習を考えると、開業の1〜2か月前には申し込んでおくと安心です(→「飲食店の開業準備リスト」)。
まとめ
- ☐ 周辺機器を含めた総額で比べた
- ☐ キャッシュレス決済・会計ソフトと連携できるか確認した
- ☐ 業種に必要な機能があるか確認した
- ☐ インボイス対応のレシートが出せるか確認した
- ☐ オフライン時の動作とサポート体制を確認した
- ☐ 開業前に実際に操作して試した
飲食店の開業準備全体は「飲食店の開業準備リスト」もあわせてご覧ください。


コメント