会社員から独立してフリーランス・個人事業主になるとき、「辞める前にやっておけばよかった」と後悔しやすいことがいくつかあります。会社員という肩書きがあるうちのほうが、審査や手続きで有利なものがあるからです。
この記事では、独立を決めた人がやっておきたいことを「退職前」「退職後すぐ」「開業後」の3つのタイミングに分けてまとめました。
【退職前】会社員のうちにやっておきたいこと
1. クレジットカードを作る
独立直後は収入の実績がないため、クレジットカードの審査に通りにくくなることがあります。事業用に使うカードも含めて、会社員のうちに作っておきましょう。
2. 引っ越し・住宅ローンなどの予定を済ませる
賃貸物件の入居審査や住宅ローンの審査も、会社員のほうが通りやすい傾向があります。予定があるなら退職前に済ませておくのが安心です。
3. 生活費と事業資金を確保する
独立後すぐに安定した収入が得られるとは限りません。また、フリーランスは仕事をしてから入金まで1〜2か月かかることも多いです。生活費の3〜6か月分を目安に確保しておきましょう(→「フリーランスの資金繰り対策」)。
4. 最初の仕事の目処をつける
独立直後に仕事がゼロの状態は精神的にも負担が大きいもの。副業として小さく始めておく、退職前に取引先候補と関係をつくっておくなど、最初の仕事の目処をつけておきましょう(就業規則で副業や競業が禁止されていないかは要確認)。
5. 健康保険をどうするか比べておく
退職後の健康保険は、主に次の選択肢があります。保険料は人によって大きく変わるので、事前に試算しておきましょう。
| 選択肢 | 特徴 |
|---|---|
| 国民健康保険 | 前年の所得などをもとに保険料が決まる。市区町村で手続き |
| 任意継続(会社の健康保険を継続) | 最長2年。退職日の翌日から20日以内に手続き。保険料は全額自己負担になる |
| 家族の扶養に入る | 収入の見込みなどの条件を満たす場合のみ |
6. 会社でもらう書類を確認する
- ☐ 源泉徴収票(翌年の確定申告で使う)
- ☐ 離職票(失業手当・再就職手当の手続きに必要な場合)
- ☐ 健康保険資格喪失証明書(国民健康保険の手続きで求められることがある)
- ☐ 年金手帳・基礎年金番号がわかるもの
【退職後14日以内】必ずやる手続き
- ☐ 国民年金への切り替え(市区町村役場)
- ☐ 国民健康保険への加入(任意継続や扶養を選ばない場合)
失業手当を受け取る予定がある人や、起業で再就職手当を受けられるか知りたい人は、開業届を出す前にハローワークに相談しましょう。
【開業時】事業のスタートに必要なこと
- ☐ 開業届・青色申告承認申請書を税務署に提出(→「開業届の書き方と出し方」)
- ☐ 事業用の銀行口座を作り、プライベートと分ける
- ☐ 会計ソフトを導入して記帳を始める(→「確定申告ソフトの選び方」)
- ☐ 請求書・契約書のひな形を用意する(→「請求書の書き方」)
- ☐ インボイス登録をするか決める(→「インボイス登録の判断基準」)
- ☐ 名刺やホームページに載せる住所・電話番号を決める
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自宅住所を公開したくない人は
名刺、請求書、ホームページなどに自宅住所を載せたくない場合は、バーチャルオフィスで事業用の住所を持つ方法があります。
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【独立後1年目】忘れがちなお金の予定
- 住民税:前年(会社員時代)の所得をもとにかかるため、独立1年目は意外と高くなることがある
- 国民健康保険料:同じく前年の所得をもとに計算される(→「国民健康保険料を安くする方法」)
- 確定申告:翌年2月16日〜3月15日(→「はじめての確定申告」)
特に住民税は、会社員時代は給与から天引きされていたため金額を意識しにくいもの。退職のタイミングによっては残りを一括で払うことになるので、事前に確認しておきましょう。
まとめ:独立前チェックリスト
- ☐ クレジットカード・住まいの手続きを会社員のうちに済ませた
- ☐ 生活費3〜6か月分を確保した
- ☐ 最初の仕事の目処をつけた
- ☐ 健康保険の選択肢を比べた
- ☐ 退職後14日以内に年金・健康保険の手続きをした
- ☐ 開業届・青色申告承認申請書を出した
- ☐ 1年目の住民税・国保の支払いに備えた
開業準備の全体像は「個人で開業する人の準備チェックリスト」をご覧ください。


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