飲食店の開業は、ほかの業種と比べて資格・許可・設備のハードルが高めです。特に保健所の営業許可は、店舗の工事が終わってからでないと検査を受けられないので、順番を間違えるとオープンが遅れてしまいます。
この記事では、飲食店の開業に必要な準備を時系列のチェックリストにまとめました。業種共通の準備(開業届・会計ソフトなど)は「個人で開業する人の準備チェックリスト」もあわせてご覧ください。
飲食店の開業に必要な資格・許可・届出一覧
| 名称 | 必要なケース | 窓口 | タイミング |
|---|---|---|---|
| 食品衛生責任者 | すべての飲食店(1店舗に1人) | 各都道府県の食品衛生協会など(講習を受講) | 営業許可の申請前まで |
| 飲食店営業許可 | すべての飲食店 | 保健所 | 工事完了の10日ほど前に申請するのが目安(自治体で異なる) |
| 防火管理者 | 従業員を含めた収容人数が30人以上の店舗 | 消防署(講習を受講) | 開業前 |
| 防火対象物使用開始届 | 店舗を使い始めるとき | 消防署 | 使用開始の7日前まで |
| 深夜酒類提供飲食店営業開始届 | 深夜0時〜午前6時にお酒をメインに出す場合 | 警察署 | 営業開始の10日前まで |
食品衛生責任者は、調理師や栄養士などの資格を持っていれば講習なしでなれる場合があります。講習は1日で終わりますが、地域によっては予約がすぐ埋まるので早めに申し込みましょう。
【開業6か月前〜】コンセプトと資金計画
- ☐ 業態・客単価・席数・営業時間を決める
- ☐ 物件取得費・内装工事費・厨房機器・食器・初回仕入れを見積もる
- ☐ 運転資金を最低3〜6か月分確保する(飲食店は売上が安定するまで時間がかかりやすい)
- ☐ 日本政策金融公庫などの創業融資を検討する
【開業3〜5か月前】物件探しと内装設計
- ☐ 用途地域・建物の用途・ガスや電気の容量・排気や排水を確認
- ☐ 居抜き物件なら、残っている厨房機器が使えるか、リース品でないかを確認
- ☐ 内装工事の前に、図面を持って保健所へ事前相談(シンクの数、手洗い場、更衣室など基準を満たしているか)
- ☐ 消防署にも事前相談(消火器・誘導灯などの設置基準)
保健所への事前相談を飛ばして工事してしまうと、検査に通らず追加工事が必要になることがあります。これが開業が遅れるいちばん多い原因です。
【開業1〜2か月前】設備・システム・通信の準備
レジ・キャッシュレス決済
- ☐ レジ(POSレジアプリ+タブレットが主流)を選ぶ
- ☐ クレジットカード・電子マネー・QRコード決済の端末を申し込む(審査に数週間かかることも)
- ☐ 売上データを会計ソフトと連携できるか確認
最近は、タブレットやスマホに無料アプリを入れるだけで使えるPOSレジが増えています。初期費用を抑えたい個人店にとっては、有力な選択肢です。お客さんのスマホで注文できるモバイルオーダーについては「飲食店のモバイルオーダー導入ガイド」で解説しています。
電話番号とインターネット回線
- ☐ 予約・問い合わせ用の電話番号を決める(グルメサイトやGoogleマップに載せる番号)
- ☐ 店舗のインターネット回線を申し込む(キャッシュレス端末・POSレジ・フリーWi-Fiに必要)
- ☐ 回線工事の日程を、内装工事のスケジュールとあわせて調整する
固定電話を引かずに、スマホアプリで03や06などの固定番号を使えるクラウドPBXを使う方法もあります。オーナーが外出中でもスマホで予約電話に出られるので、少人数で運営する店舗と相性がよい仕組みです。
▶ スマホで固定番号の発信・着信ができるクラウドPBX
例えばスマホで03や0120。転送じゃない。発信、着信、内線化。クラウドPBX「ナイセンクラウド」
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回線・電話番号・法人携帯の選び方は「開業時の通信インフラ準備ガイド」で詳しく解説しています。
そのほかの準備
- ☐ 食材・酒類の仕入れ先を決め、取引口座を開く
- ☐ メニュー表・看板・ショップカードを作る
- ☐ Googleビジネスプロフィールやグルメサイトに登録する
- ☐ スタッフの採用・研修(雇う場合は労働保険・社会保険の手続きも)
【開業2週間前〜当日】保健所の検査と各種届出
- ☐ 保健所の施設検査に立ち会う → 営業許可証の交付
- ☐ 防火対象物使用開始届を消防署に提出
- ☐ 深夜にお酒を出すなら、深夜酒類提供飲食店営業開始届を警察署に提出
- ☐ プレオープンで動線・オペレーション・レジ操作を確認
【開業後1か月以内】税務署への届出と経理の仕組み化
- ☐ 開業届・青色申告承認申請書を税務署に提出
- ☐ スタッフに給与を払う場合は、給与支払事務所等の開設届出書も提出
- ☐ 会計ソフトを導入し、レジの売上・仕入れ・経費の記帳を習慣にする
飲食店は現金・カード・QR決済など入金の経路が多く、仕入れの領収書もたまりがちです。開業届の作成から会計ソフトまで、無料で試せるサービスを使って早めに仕組みを作っておきましょう。
▶ 入力するだけで開業届を作成できる
開業届作成するなら【弥生のかんたん開業届】
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▶ 青色申告に対応したクラウド会計ソフト
やよいの青色申告オンライン
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飲食店開業でよくある質問
Q. 調理師免許がなくても飲食店は開業できる?
できます。必要なのは食品衛生責任者で、調理師免許などがなくても、1日程度の講習を受ければ取得できます。
Q. 開業資金はどのくらい必要?
物件の取得費・内装・厨房設備・運転資金で大きく変わります。居抜き物件を使えば内装や設備の費用を抑えられることがあります。自己資金だけで足りない場合は、創業融資も検討しましょう(→「開業資金の集め方」)。
Q. 自宅で飲食店(テイクアウト・菓子製造)を開業できる?
自宅のキッチンをそのまま使うことはできず、家庭用とは別に、保健所の基準を満たす調理場が必要です。賃貸住宅の場合は、契約で営業が認められているかも確認しましょう。工事の前に、管轄の保健所へ図面を持って相談するのが確実です。
Q. 開業届はいつ出す?
開業日から1か月以内に税務署へ提出します。青色申告承認申請書も同時に出しておくと節税できます(→「開業届の書き方」)。
まとめ:飲食店開業チェックリスト
- ☐ 食品衛生責任者の講習を予約・受講した
- ☐ 内装工事の前に保健所・消防署へ事前相談した
- ☐ レジ・キャッシュレス決済を申し込んだ
- ☐ 電話番号・ネット回線を手配した
- ☐ 保健所の検査を受け、営業許可証を受け取った
- ☐ 消防・警察への届出(必要な場合)を済ませた
- ☐ 開業届・青色申告承認申請書を出した
- ☐ 会計ソフトで記帳を始めた
許可の基準や手続きの期限は自治体によって違います。必ず店舗を出す地域の保健所・消防署に確認してください。


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